「尾張の大うつけ」と呼ばれた少年・青年期から桶狭間の戦いを経て天下にその名を轟かせ、天下統一まであと一歩のところまで上り詰めた戦国時代最大のヒーロー織田信長。第六天魔王・中世の覇者などいくつもの異名を持つ人物でもあります。
幾多の強敵、困難を乗り越えた強さに知性を兼ね備え、人柄にもカリスマ性を持つ信長の生涯は、この時代にあっても超然とした鮮やかさを感じさせます。
その信長の印判の意匠は『天下布武』。「天下を武によって治める」もしくは「武家の政権で天下を治める」といった意味だと言われています。
この印を使い出した頃の信長は尾張、美濃を平定し、これから本格的に天下統一への道を歩み始める時期でした。
未だ日本全国に多くの強敵が待ち構える中で堂々と天下を治めることを宣言したこの印からも、信長の描いた壮大な野望と、純粋とも言える目標への強い意志を感じることができます。
南蛮文化をはじめとして新しいものを好み破天荒でありながら現実的、天運にも恵まれた戦国時代の寵児、織田信長。
今作ではその多岐にわたるイメージを大切に具体的なイラストなどは用いず、陣羽織に描かれた『アゲハ蝶』を天下布武の文字と共に夜の暗闇に浮かび上がらせてみました。
戦国の夜に浮かぶのは、闇を切り裂く希望の光か、暗黒に輝く魔王の野望か―
あなたにはどちらが見えますか?
企画・原案:北川良彦、デザイン:立澤竜也