越後の龍 上杉不識庵謙信
戦国時代はその名の通り、各々の国が覇を唱え戦争に明け暮れた時代でしたが、そうした群雄割拠の時代に思いを馳せた時、誰もが一度は考えるのが「一体誰が最強の武将だったのか?」ということでしょう。
そしてこの話題になった時に並み居る武将、軍師を押さえて必ず一番に名前が挙がるのが「軍神」の異名を取る越後の雄、上杉謙信です。
謙信は生涯のほとんどを戦に明け暮れながらほぼ負けなしという天才的な用兵術の持ち主で、特に野戦には無敵の強さを誇っていました。
しかし謙信の本当の魅力は合戦での強さに併せて、下克上相次ぐ戦国武将にあって唯一と言ってもいいその強い正義感でしょう。
ともすれば誰が敵で誰が味方かさえ判らなくなりがちなこの時代にあって、上杉謙信は自分を頼ってきたものは必ず受け入れ、自らの不利益になろうとも必ず義理を通すという姿勢を生涯に渡って貫いています。
その姿は謙信に関わった人間全てがよく知っていて宿敵武田信玄は死の間際、息子勝頼に「謙信は頼まれれば必ず助けてくれる。私の死後は上杉謙信を頼れ」と言い残し、長い間謙信との戦いを繰り広げた北条氏康も「織田信長や武田信玄は裏表があり信用できないが、謙信は一度請け負った事は必ずやり遂げる男だ。」と語るなど、長年に渡り敵対していた人物達でさえも謙信の人間性には深い信頼を寄せています。
その正義感はともすれば愚直とさえ言えるほどで、その信条故に天下統一を果たせなかったという面もありますが、そうした野望よりも己の正しさの為に生きた謙信は、やはり戦国時代で最も魅力的な人物の一人です。
そんな謙信をデザインした今回の一枚は「斉藤山城守道三」Tシャツなどでも参加いただいた書家・砂織さんの迫力ある文字を使用し、彼の裏と表・静と動を表しています。
まず前面は謙信の兜の前立て「飯綱権現(いづなごんげん)」のシルエットの中に謙信の旗印「毘」一文字と彼が詠んだ美しくも静かな漢詩「九月十三夜」を重ねたシンプルなデザイン。
背面は毘沙門天像の背中に辞世の句を彫りこみ、台座には「運は天にあり」の始まりで有名な春日山城壁書の英訳を配置。更にその周りを愛用の馬上杯に施されていた七宝の文様で飾り付けました。
ボディカラーは謙信の軍旗「紺地日の丸」をイメージした配色で、日の丸部分には総攻撃の合図として使用されたという「懸り乱れ龍」の旗印を加えています。
静かで慈しみに溢れた普段の姿とは一転し、戦場では燃えるような激しさを見せた上杉謙信ならではの、2つの面を併せ持つ一枚です。
デザイン:立澤竜也









前の戦国Tシャツへ